話が合わない人に疲弊し、流されて方向性を見失うのは、価値観の違いじゃなくて行動原理が違うから。




人によって「なぜ行動するのか?」という行動原理は異なります。


これは「倫理学」という、いわゆる道徳の分野で整理されているんだけど、行動原理は大きく3種類あります。



  1. 義務論

  2. 帰結主義

  3. 徳倫理


 

1.義務論



「人間の義務だからそれを行うべきだ」という考え方。



義務を重視する人は、正しい行為があると考え、行為を重視します。



例えば、約束は守るべき、嘘はついてはいけない、人は働く必要がある、稼がなくてはいけない、など常識とされる規範を守ることが重要と考えています。



 

2.帰結主義



その行為をして、どんな利益が得られるか?を重視する考え方



自分の幸せを追求する利己主義、他者の幸福の最大量を重視する功利主義など、いずれにしても利益を重視した考え方です。



例えば、行動の動機が、自分が得するから、褒められるから、モテるから、他人のためになるから、会社のためになるから、国のためになるから、など。



 

3.徳倫理



その人らしい徳による動機を重視する考え方。



これは少し説明が難しいです。



「徳」というのは、正義、勇気、節制、など様々なものがあって、簡単に言えば卓越性のことをいいます。



卓越性とは、その人特有の知識や能力のことですね。




この「徳」は、修行や鍛錬によって身についている人もいれば、そうでない人もいます。


だから、


徳倫理をベースにすると道徳感にムラが出るため、基本的には義務論と帰結主義をベースに社会の常識は作られています。


これで分かることは、



自分にとっての当たり前は、他人の非常識


ということです。



たとえば、起業も、成果重視で「儲かるのは良いこと」という帰結主義が前提の人もいれば、「職がないから仕方なくやる」という義務論で動いている人もいます。



さらに、結果とか他人とかどうでもよくて「好きでやっている」という徳倫理の人もいます。



で、この3つは、どれがいいとか、何が正解とかないんです。



結局、どれも必要になってきます。



行動原理では、こうした3種類の考え方の人間がいる、ということを知ることが目的ですからね。



それぞれメリットはあるし、デメリットもあります。



だけど、


まず世の中にどういう行動原理があるのかという全体像を理解した上で、かつ、全部知った上で、自分で選び取ることが必要なのが1つ。



その上で、


自分が選んだものを含め、行動原理はそもそも3種類あることは、倫理学で理解することが2つ。


なぜなら、自己解釈な思い込みの中で生きるだけになるからです。




それから、


各立場の弱点を把握して対策をすることが3つ目。


義務に偏れば、社会性を手に入れる代わりに自分が消えます。



そうなれば、当然、なぜそれをするのか?という本質を見失います。



本質を捉えるという対策をしなければ、言われたことしかできない機械人間になります。



もうこうなれば、自分も見失うし、言われた通りにやったのに「違う」と言われたら、相手のせいにし、あの人はああだ、こうだ、この人は間違っていると主張しても、自分の心がしんどくなるだけなのは自明です。



帰結に偏れば、成果しか見ないわけだから、数値で物事や人間を計測しがちになってしまうんです。



肩書や収入、学歴や効果に意識が行きがちになれば、私の先祖は、私の親は、私の主人は妻は、子供は・・・とレッテルを貼ることが目的にすり替わってしまい、組織やチームが果たすべき使命を見失ってしまうんです。



「私が」という自我が強くなれば、他者の気持ち、弱者の立場を見失い、自己中人間になってしまいます。



つまり、自己中心、自分の属性中心のものの見方になるという弱点が、帰結という行動原理にはあるんですね。



だから、互いの視点を補わないと、まぁ、いろいろ問題が耐えない組織になるわけです。



帰結が行動原理にある人は、自分の立場を客観視して、対策を取る必要があるということです。




こうして、


組織やチームで、話が通じないのは、この行動原理の前提が違うからです。


私の場合は、「徳倫理」で生きているので、義務論や帰結主義の人とは普段から話が通じません。



だから私のところに「こんなに儲かる話がある」とか「こんな大きいプロジェクトがあって」とか「仕方なく起業したんですけど、どうすれば損しないで済むか?」とか、「自分の生活のために楽して儲けたい」とか、そんな話を持って来られても「で?なんでそれすんの?」となります。



徳倫理が行動原理の人は、動機重視ですからね。



誰しも自分と同じ行動原理とは思わないほうがいいです。



そのために、経営理念、行動規範、ビジョン、ミッション、バリュー等があって、それらは経営者(トップリーダー)の行動原理に従うものです。



であれば、その経営者(トップリーダー)の行動原理と同じであることが、人材の大前提になるんです。



参加する、入社する、加入する人は、その会社や組織の理念、ビジョンなどに「共感すること」が大前提になります。



だからって私みたいに「徳倫理」の人間でも、帰結と義務を全て排除できないんです。



帰結主義の会計士に、「限界利益を20%切ったら、撤退したほうがいい」って言われれば、素直に従うほうが自分は潰れないし。



つまり、


動機が間違っていなければ「結果は後からついてくる」という考えの持ち主です。


でも、社長の生き方や考え方によって会社は創られているので、社長自身の行動原理が理念やミッションと一致しているか、社長をマネジメントできる人は必要なんですよ。



周りの声に耳を貸せないリーダーは、裸の王様にしかなれないのです。



とういうことは、もうおわかりだと思いますが、自分の行動原理を知ったうえで、自分に合った仕事をすればいいんですね。



自分と同じ行動原理の人がいる業界に自分から行かなければ、相手を変えることは無理ですからね。



環境とメンターに恵まれる自分になるために、あなたができることはなんですか?


その答えが、あなたのやるべき努力ですね。



思考で損をしていないか、自分の行動原理を確認しておきましょう。


​関連記事:窮地の時の行動から見える自分の行動原理(なぜその行動をするのか?)


価値観は違うほうが良い組織になるけど、方向性(行動原理)の違いをそのままにしておいても、結果はでない。



という話です。



山本真弓